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//August 2//

しばらく雨の日が続き、ようやく夏らしさを取り戻した今日。

俺と陽菜は、約束通りホットプレートを買いにやって来た。

電気屋の調理家電売場には、さまざまなタイプのホットプレートが並べられている。

【陽菜】「わぁ~」

【陽菜】「見て見て孝平くん、タコ焼きプレートもついてるよ?」

【陽菜】「こっちはお肉の脂がよく落ちる、波形プレートだって」

最新機種を前にして、陽菜はやや興奮気味だ。

【孝平】「どれがいいんだろうな」

【陽菜】「こんなにあると、決められないよね」

【陽菜】「タコ焼き……」

陽菜の目は、最新機種に釘づけだ。

【陽菜】「みんなでタコ焼きパーティーやったら、きっと楽しいよね」

【孝平】「盛り上がるだろうな」

【陽菜】「タコだけじゃなくて、チーズとかお餅とか入れたり」

【孝平】「餅なんか入れるのか?」

【陽菜】「入れないの?」

【陽菜】「とろっとろで、すごくおいしいんだよ」

目がキラキラと輝いている。

が、値段を見てすぐ苦々しい顔になった。

【陽菜】「13500円……」

【孝平】「……」

学生の俺たちにとっては、少々痛い価格だ。

気前よくポンと買ってやりたいところだが、なかなかそうもいかない。

【孝平】「あ」

【孝平】「型落ちならもっと安いぞ」

波形プレートはついてないが、タコ焼きプレートはばっちりついている。

これなら半額以下だ。

【陽菜】「わぁ、ほんとだ」

【陽菜】「これにしよう」

もう買う気満々だ。

【陽菜】「今日は焼きそばとタコ焼きと、お好み焼きも作るね」

【孝平】「嬉しいけど、そんなに食べられるかな」

縁日でも開くかのような勢いだ。

【陽菜】「あ、そっか」

【陽菜】「じゃあ、焼きそばとタコ焼き」

【孝平】「うん」

【陽菜】「マヨネーズつける派?」

【孝平】「もちろん」

【陽菜】「ふふ。気が合うね」

陽菜は嬉しそうだ。

ホットプレートを購入してから、スーパーに向かう。

焼きそばの麺や小麦粉、野菜などをどんどんカゴに入れていく。

【孝平】「豚肉はこれでいいかな?」

【陽菜】「ちょっと待って」

【陽菜】「うーん……」

【陽菜】「こっちの方がお得かも」

豚肉コーナーをざっと見渡し、豚コマのパックを手に取る。

確かに、こっちの方が若干お得だ。

【孝平】「なんか、すごいな」

【孝平】「プロの主婦みたいだ」

素直に尊敬した。

俺なんて、とりあえずいっぱい入ってそうなのを適当に選んでしまう。

【陽菜】「家にいた頃は、よく買い出ししてたからかな」

【陽菜】「決められた範囲内でやりくりするの、けっこう向いてるみたい」

言われてみれば、陽菜の買い方には無駄がない。

瞬時に商品を比較し、素早くカゴの中へと入れていく。

とにかく意志決定が早いのだ。

……思えば、スーパーに足を一歩踏み入れた時から、陽菜の目は鋭かった。

陽菜の戦いは、あの瞬間から始まっていたのかもしれない。

【店員B】「はいっ、今から30分間のタイムサービス!」

【店員B】「タマネギがなんと10個で50円!」

周囲にいた主婦たちの目が光る。

殺気を感じた俺は、思わず後ずさった。

【陽菜】「孝平くん、タマネギ取ってきたよ」

【孝平】「へ?」

陽菜の手には、大量のタマネギ。

涼しい顔でそこに立っている。

……いつのまに!

俺には気配すら感じさせなかった。

【孝平】「……ハンターだ」

【陽菜】「え?」

【孝平】「なんでもないです」

【孝平】「ところでその大量のタマネギは、どう消費するんだ?」

【陽菜】「もちろん、焼きそばに入れるよ?」

にっこり笑う。

いったい、どんな焼きそばが出てくるんだろう。

寮に帰ってから、さっそくディナーの準備が始まった。

会場は、陽菜の部屋。

包丁や皿などは、料理好きのクラスメイトから借りてきた。

【陽菜】「うっ……」

【陽菜】「ぐすっ……うぅ……」

大量のタマネギに泣かされている陽菜。

目は真っ赤に充血している。

【孝平】「……代わろうか?」

【陽菜】「ううん、だいじょうぶ……っ」

【陽菜】「うぅっ……ぐすんっ」

それでも、包丁を扱う手つきはなかなかのものだ。

キレイに切りそろえられた野菜たちで、ボールがいっぱいになっていく。

付け焼き刃では、到底成しえないクオリティだ。

【孝平】「家事、慣れてるんだな」

【陽菜】「そ、そんなこと……ぐすっ……ないよ?」

【陽菜】「寮に入ってからは、ううっ……料理なんて、ぜんぜんしてないし」

涙ながらに陽菜は語る。

しばらくして、ようやくタマネギを切り終わった。

【陽菜】「では、ここで役割分担したいと思います」

【陽菜】「孝平くん、タコ焼きお願いね」

【孝平】「えっ!」

いきなり重要なポストを任され、動揺する。

【孝平】「ていうか、タコ焼き作るの楽しみにしてたのは陽菜じゃ……?」

【陽菜】「そうだけど、私はまだ焼きそばの下準備があるの」

【陽菜】「二ついっぺんにはできないから……お願い」

【孝平】「うっ」

かわいい顔でお願いされたら、やらないわけにはいかない。

俺は意を決して、タネの入ったボールを手に取った。

【陽菜】「うんうん、いい感じ」

【陽菜】「タコ、チーズ、お餅の順に入れてね」

【孝平】「タコ、チーズ、餅……」

プレートのくぼみに一つずつ具材を入れていく。

じゅくじゅくとタネが焼ける音。

なんか、だんだん楽しくなってきた。

【陽菜】「固まってきたら、竹串でちょいちょいっと」

【孝平】「こうか?」

【陽菜】「もっと大胆にいっちゃってもいいかも」

陽菜が手本を見せる。

くぼみの中で、丸みを帯びた愛らしい物ができあがっていく。

【孝平】「師匠、さすがです」

【陽菜】「慣れればすぐにできるってば」

【陽菜】「あとはおまかせしちゃうからね?」

【孝平】「おう」

俺は姿勢を正し、タコ焼きに向かい合った。

ここらで、俺もいいところを見せておかないと。

数十分後。

テーブルには、ソース焼きそばとタコ焼きが並べられた。

厳密に言うと、ソース焼きそばとタコ焼きモドキだ。

球体になりそこねた物体が、皿の上に積み重なっている。

【孝平】「申し訳ありませんでした」

【陽菜】「いえいえ」

【陽菜】「見た目よりも、味が肝心だよ」

聖母のようなスマイル。

しかし、タコ焼きってものすごく難しい。

甘く見ていたバチがあたったのだ。

【陽菜】「いただきます」

【孝平】「……いただきます」

まず、陽菜の作ってくれた焼きそばをつまむ。

タマネギは多めだが、かなり期待できそうな見た目だ。

【孝平】「うまっ」

【孝平】「マジでうまい。鉄人にも負けてないよ」

【陽菜】「ほんと? よかった」

【陽菜】「最近作ってなかったから、実はちょっと自信なかったんだ」

【孝平】「いやいや、まるでブランクを感じさせない出来だって」

【陽菜】「そう言ってもらえると嬉しい」

【陽菜】「ホットプレート買ってよかった」

【孝平】「大正解だな」

さて。

お次はタコ焼きだ。

否、タコ焼きモドキ。

見て見ぬふりもできなかったので、思いきって口の中に放り入れる。

【孝平】「……」

【陽菜】「どう?」

【孝平】「タコ焼きっていうより、丸めたお好み焼き、みたいな」

【陽菜】「?」

要は、中まで火が通りすぎているのだ。

あの独特の、トロッとした感じがない。

陽菜は首を傾げながら、タコ焼きモドキを口に入れる。

【陽菜】「んー……」

【陽菜】「焼きすぎだね」

【孝平】「その通り」

【陽菜】「でも、味はおいしいよ?」

【孝平】「慰めてくれてありがとう」

軽く落ち込む。

俺は、満足にタコ焼きも焼けないような男なのだ。

【陽菜】「ねえねえ、これ食べてみて?」

陽菜は楊枝でタコ焼きを刺し、俺へと手を伸ばした。

【陽菜】「はい、あーん」

【孝平】「……っ」

カウンターパンチを食らった気分だ。

俺は即座に口を開けた。

【孝平】「もぐっ」

【陽菜】「どう?」

口の中に、もちもちとした感触。

っていうか、餅入りだ。

【孝平】「あ、うまいかも」

【陽菜】「でしょ?」

陽菜は身を乗り出した。

まさに新食感。

焼きすぎたタネとも、いい感じにマッチしている。

【陽菜】「私の言った通りだった?」

【孝平】「ああ」

【孝平】「これからは、我が家の定番にするよ」

【陽菜】「ふふふ」

もう一つタコ焼きをほおばりながら、陽菜は笑った。

食事と片づけが終わると、陽菜が紅茶を淹れてくれた。

相変わらず、陽菜の紅茶はうまい。

ミルクやレモンを入れないで、そのままの風味を楽しみたくなる。

つくづく、陽菜はお嫁さん向きだなと思う。

……お嫁さん。

実にいい響きだ。

陽菜は紅茶を飲む俺を、優しい表情を見つめている。

【孝平】「……よかった」

【陽菜】「何が?」

【孝平】「いや、陽菜が楽しそうでさ」

【孝平】「最近、ちょっと元気なさそうに見えたから」

【陽菜】「……」

【陽菜】「やだ、そんな風に見えた?」

【孝平】「うん」

【陽菜】「気のせいだよ」

陽菜は首を振る。

確かに、気のせいかもしれない。

というか、元気がないという言い方は少し違う。

何かを我慢しているような。

そう感じただけで、確証はない。

ただその思いは、依然として俺の胸に根づいていた。

【陽菜】「また、タコ焼きパーティーやろうね」

話題をそらした。

【陽菜】「今度はみんなを呼んでやろっか?」

【孝平】「それもいいけど」

【孝平】「今度も、二人きりでやりたい」

【陽菜】「……」

【孝平】「嫌か?」

【陽菜】「う、ううん。嫌じゃないよ」

【陽菜】「嫌なわけ、ないよ……」

そう言って、うつむいてしまう。

俺は時計を見た。

もう、夜の9時だ。

そろそろ部屋に帰らなきゃ。

あんまり遅くなると、陽菜に悪いし。

そうは思いつつも、俺は立ち上がらなかった。

うつむく陽菜の、赤い耳たぶを見つめている。

【孝平】「陽菜」

【陽菜】「ん?」

【孝平】「顎にタマネギついてる」

【陽菜】「え? どこどこ?」

【孝平】「ここだよ」

俺は手を伸ばし、陽菜の顎に触れた。

そのまま顎を引き寄せ、キスをする。

【陽菜】「ぅ……!」

卑怯といえば卑怯な手口。

だが、俺も自信がないのだ。

前に、陽菜にキスしようとした時のことを思い出す。

抵抗されたとまでは言わないが、陽菜の身体はこわばっていた。

いつだって性急すぎる俺が悪いのは、確かだけど。

【陽菜】「んっ……ぁ……」

舌を割り、つるつるとした歯を舐める。

もしかしたら、突き飛ばされるかも。

それぐらいの覚悟はしていた俺だったが、陽菜は拒まなかった。

積極的ではないにせよ、俺の舌を受け入れている。

【陽菜】「はぁっ……ちゅ……んっ」

【陽菜】「ぷはぁっ」

唇を放して、陽菜の目を見る。

陽菜も、俺をまっすぐに見ていた。

【孝平】「謝らないからな」

【孝平】「俺、陽菜とキスしたかったから」

【孝平】「今日一日、ずっと……」

【陽菜】「え……」

陽菜は戸惑っている。

それでも俺は、続けた。

【孝平】「俺、陽菜のこと、もっと知りたいんだ」

【孝平】「悩んでたら、力になってやりたい」

【孝平】「愚痴りたい気分の時は、話を聞いてやりたい」

【孝平】「一緒にいる時は、いつも肩を貸してやりたい」

【孝平】「前にも、確か言ったと思うけど」

【陽菜】「……うん」

ああ、駄目だ。

考えがまとまらない。

要するに俺は、緊張しているのだ。

【孝平】「一緒にいる時ぐらいは、弱みを見せてくれたっていい」

【孝平】「それに……もっと、甘えてほしい」

【陽菜】「……?」

【陽菜】「甘える?」

【孝平】「そう」

強くうなずいた。

【陽菜】「でも、私」

【陽菜】「甘えるって……よくわからないの」

【陽菜】「……ごめんね。孝平くんの気持ち、すごく嬉しいけど」

【陽菜】「どうやって甘えたらいいのか、わからない……」

小さな子供みたいに、ふるふると首を振る。

陽菜は、甘え方がわからない。

……そうだ、陽菜は昔からそうだった。

自分自身の気持ちを、表に出すことが苦手なのだ。

甘えることも、弱みを見せることも、泣き言を漏らすことも。

自分一人で飲み込むことが癖になっている。

誰にも頼らないんじゃない。

頼り方が、わからないのだ。

【孝平】「悪かった」

【孝平】「追いつめるつもりなんて、なかった」

【陽菜】「……追いつめてなんか、ないよ?」

【陽菜】「私こそ、ごめんね」

【陽菜】「孝平くんが私のこと、考えてくれてるってわかってる」

【陽菜】「一緒にいてくれて、感謝してる」

【陽菜】「もっと、孝平くんに……応えられたらって……」

【孝平】「陽菜……」

陽菜は、ゆっくりと俺の隣に移動した。

ちょこんと座って、スカートを握り締める。

【陽菜】「なんて言ったらいいのか、わからないけど」

【陽菜】「孝平くんは男の人だから、きっと……」

【陽菜】「……っ」

真っ赤になって、言葉を止めた。

【陽菜】「……なんでもない」

【孝平】「最後まで聞きたいんだけど」

【陽菜】「い、言えないよ」

【陽菜】「言えない……」

【孝平】「じゃあ、聞かない」

【孝平】「でもその代わり、こっちに来てほしい」

【陽菜】「え……」

//H-scene starts//

二人でベッドの上に座り、向き合った。

【陽菜】「孝平くん……」

場所が場所なだけに、ものすごく照

れる。

だが、陽菜を誘ったのは俺だ。

もっと陽菜のことを知りたかったから。

もっと深く、強く。

陽菜を求める気持ちがあったから。

【孝平】「俺、陽菜を抱きたい」

【陽菜】「っ!」

【孝平】「……抱いてもいいか?」

【陽菜】「それは……」

自分の鼓動が、うるさくてかなわない。

俺はまた、陽菜を困らせているのかもしれない。

でも、これ以上気持ちを抑えることなんてできなかった。

【陽菜】「……」

こくり。

陽菜は、うなずいた。

確かにうなずいた。

【孝平】「いいのか?」

【陽菜】「うん」

【陽菜】「ちょっと、怖いけど……」

【陽菜】「孝平くんが、こんな私でもいいって言ってくれるなら……」

少しだけ、声が震えている。

ちょっとじゃなく、本当はすごく怖いのだろう。

それでも陽菜は、俺の気持ちに応えてくれた。

【孝平】「……ありがとう」

そっとキスをする。

【陽菜】「ぁ……」

小さく開かれる唇。

すぐに絡み合う舌と舌。

はやる気持ちを抑え、何度も何度も口づける。

陽菜のことが、好きで好きでたまらない。

この唇も、舌も、吐息も。

【陽菜】「んくっ……んっ」

唇に吸いつきながら、胸元のリボンをほどく。

俺の手も、少し震えていた。

焦るな、深呼吸。

呪文のように心の中で唱えつつ、服を下ろしていく。

【陽菜】「あっ……」

服の中から、ブラジャーに包まれた胸がこぼれる。

シンプルなレースを縁取った、淡いピンク色のブラだった。

清楚なデザインが陽菜にとてもよく似合っている。

【陽菜】「あの……」

【陽菜】「電気、消してほしい」

【孝平】「駄目」

【陽菜】「えっ」

【孝平】「明るいところで、陽菜のことをじっくり見たい」

【陽菜】「そんな……恥ずかしいよ」

そんな風に、恥ずかしがる陽菜を見たいのだ。

なんて言ったら、きっと怒るだろうが。

【陽菜】「じゃあ、目をつぶって」

【孝平】「そりゃ本末転倒だ」

【陽菜】「だって……まだその、心の準備が……」

言葉の途中で、白い鎖骨を指でなぞる。

【陽菜】「んっ……!」

すべすべの、艶っぽい肌。

女の子の肌って、なんてやわらかいんだろう。

自分のそれとは明らかに質感が違う。

【陽菜】「んぁっ……あっ」

唇から甘い声が漏れる。

脳髄がとろけそうな声だ。

【孝平】「……もっと、見たい」

【陽菜】「あぁっ……!」

ブラの肩紐を下ろし、少しずつカップの部分をずらしていく。

【孝平】「……っ」

形のいい、豊かな乳房が現れる。

ミルク色のまあるい双球の上に、桜色の突起。

小高い場所で、ツンと上を向いている。

陽菜は耐えきれないというように、目をそらした。

【陽菜】「お願い……あんまり見ないで」

【陽菜】「あ……そうだ、シャワー浴びないと……」

【孝平】「いいよ、シャワーなんか」

そんなことしたら、せっかくの陽菜の匂いが消えてしまう。

【陽菜】「だ、駄目だよ」

【陽菜】「外に出て、たくさん汗もかいてるし」

【孝平】「俺は構わない」

【陽菜】「私が、構うの……」

【陽菜】「もっと、キレイな身体を見てもらいたいのに……」

【孝平】「今だって、十分キレイだけど?」

【陽菜】「う……」

嘘じゃない、本当だ。

尻込みしてしまうほど、陽菜はキレイだった。

【孝平】「……」

口にたまった唾液を飲み込み、乳房へと手を伸ばす。

触れたい。触れずにはいられない。

どんな感触なのか確かめてみたい。

【陽菜】「ひぅっ……んぁっ」

乳房を、手でそっと包む。

……やわらかい。

出来立てのマシュマロって、こんな感触なのかもしれない。

温かくて、触れたそばから溶けてしまいそうだ。

【陽菜】「はぁっ、あっ……」

ふにふにと、そのやわらかさを楽しむ。

力加減によって、自由自在にその形を変えていく。

【孝平】「大きいんだな、陽菜の」

【陽菜】「ふ……普通だと、思うけど」

指と指の間に乳首を挟み、強弱をつけて刺激した。

ささやかだった突起が、わずかに硬さを増す。

【陽菜】「くぅ、んっ……はぁっ、はあぁっ」

【陽菜】「やぁ……あぁっ」

もう少しだけ力を入れて、乳房全体を揉み上げた。

甘美な手触りに、俺の下半身がズキズキと反応する。

陽菜って、こんなに色っぽい表情をするのか。

見たこともない新たな一面に、どきどきした。

【陽菜】「あぁっ、孝平くん……」

乳房を愛撫しながら、そっとスカートをまくり上げた。

あらわになる、真っ白な太腿。

もっと中がよく見えるように、スカートの裾を陽菜に持たせる。

【陽菜】「あぅ……っ」

秘部を隠す下着は、ブラとおそろいのデザインだ。

【陽菜】「うぅ……本当に、恥ずかしいんだってば……」

もじもじと腰を動かし、うつむく。

滑らかな脚と、お腹。

太腿の付け根に汗をかいている。

俺は、ふぅとため息をついた。

【孝平】「脱がすぞ」

【陽菜】「えっ?」

【孝平】「腰、浮かして」

下着に手をかけ、腰から脚へとずり下げていく。

陽菜は一瞬、何が起こったのかわからないような顔で固まっていた。

【陽菜】「えっ……あっ、えぇ?」

【陽菜】「ぬ、脱ぐの?」

【孝平】「うん」

【陽菜】「そ、それは……えっと……」

【陽菜】「えええっ……?」

ものすごく動揺している。

無理もない。

とは思うが、ここで引き返すことはできない。

【孝平】「全部、見たいんだ」

【孝平】「ちゃんと見て、確認しておきたいんだ」

【陽菜】「確認……?」

【孝平】「そう」

【孝平】「いくよ」

【陽菜】「う、うん……」

納得したようなしてないような顔で、陽菜はうなずく。

俺はもう一度、下着をずらしていった。

【陽菜】「……っ!」

陽菜の一番大切な部分。

うっすらとした毛に守られたそこは、ほんの少しだけ濡れていた。

左右対称の割れ目から少しだけ覗く、サーモンピンクの秘肉。

とてもキレイな色だ。

【陽菜】「やぁ……もう、だめ、…恥ずかしい…っ……」

脚がふるふると震えている。

肌が汗ばみ、つややかに光っている。

その割れ目へと、指を伸ばした。

【陽菜】「ふぅっ……! ん、くぁっ」

ぬるりとした粘膜が俺の指を迎え入れる。

じっとりと湿って、熱い。

わずかに指を動かすと、ぴちゃ、と音がした。

【陽菜】「あっ、あんっ……んんっ」

【陽菜】「やぁっ、そこ、ちゃんと洗ってくるからっ……」

【孝平】「このままでいいよ」

潮気を帯びたような、少し甘酸っぱい陰部の匂い。

その匂いで、興奮に拍車がかかる。

【孝平】「陽菜のここ、ぬるぬるしてる」

【陽菜】「やんっ、あっ……はぁっ」

指の腹で割れ目の真ん中を、ゆっくりとこする。

潤った肉襞が、みっちりと指全体を包囲した。

もう片方の手で、乳房を優しく揉み込む。

【陽菜】「あぅ、んぁ、あっ、はああぁっ」

手の中で弾む乳房は、わずかに赤みを帯びていた。

かなり感じているらしく、乳首もすっかり硬くなっている。

【陽菜】「はうっ……ん……もう、力が入らなくなっちゃうよ……」

【陽菜】「これ以上、触られたら、私……」

これ以上触ったら、どうなってしまうんだろう。

その反応を知りたくて、わざとクチュクチュと音を立たせてみる。

【陽菜】「ひぁっ、ああぁっ……! はぁっ、はあぁっ」

【陽菜】「だめぇ……声が、外に聞こえちゃうよぉ……っ」

【孝平】「じゃあ、静かにしないと」

耳元で囁くと、陽菜はくすぐったそうに身をよじった。

【陽菜】「孝平くん、いじわるだよ……」

そんな顔するから、意地悪したくなる。

もっともっと恥じらう陽菜を、見たくなるのだ。

【陽菜】「んぁっ、あぁ、んうぅっ」

刺激を与えるにつれ、クリトリスがぷくっと膨らんできた。

蜜に濡れた先端が、妖しく輝いている。

乳首とクリトリスを同時につまむと、陽菜は高い声をあげながら仰け反った。

【陽菜】「ああぁっ……! あっ、な、なにこれっ、ふうぁぁっ!」

熱い愛液がトロトロと流れ出る。

シーツに水たまりができ、大きな染みになって広がっていく。

【陽菜】「も、もう、ああぁ、はふんっ」

首筋から流れた汗が、細い鎖骨のくぼみにたまる。

太腿をぎゅっと閉じようとするが、それを阻止した。

【陽菜】「あぁっ、あっ、ひぁっ、んふううぅっ」

蜜壺に人差し指を差し込み、小刻みに動かしていく。

赤みの増した陰唇がヒクヒクと動き、指にまとわりついてきた。

【陽菜】「やん、あぁ、あはぁ、動かさないで……っ」

【陽菜】「お願い、もう、あぁっ、はふぁっ、ああああぁっ」

陰部から漏れる、ぬちゅぬちゅとした蜜の音。

内部はぬるぬるにとろけて、とても狭い。

もっと奥を目指そうとするが、ぎゅうぎゅうに締めつけられて簡単には進まなかった。

【陽菜】「はぅっ……」

半開きになった唇に、舌をねじ入れる。

歯の裏や歯茎までねっとりと舐めながら、乳房と陰部への愛撫も忘れない。

【陽菜】「んむぅ、んっ……ちゅぅ、んはぁっ」

陽菜も舌を伸ばし、俺に応えてくる。

唾液と唾液を混ぜ合い、吸いついていく。

【陽菜】「んっ……! んふぁ、んくぅ、あぁっ、あっ……!」

内部の締めつけがさらに強くなる。

俺は人差し指を少し曲げて、引っかけるようにしながらこすり続けた。

【陽菜】「あぁ、あっ、はあああぁっ、んあああぁっ」

【陽菜】「ひああぁっ、あ、あ、ふあああぁっああぁっ……!」

じっとりと湿った太腿が、ぎゅっと閉じる。

陽菜の肩が、ぶるぶると痙攣した。

【陽菜】「ひぁ、ああああああああぁっ……!」

【孝平】「陽菜……?」

陽菜は下唇を噛み締めてから、脱力したように、俺へと身を預けてきた。

全身が熱い。

陰部からおびただしい量の蜜が溢れている。

【孝平】「大丈夫か?」

【陽菜】「はぁ……はぁ……はぁっ……」

【陽菜】「わ、わかんない……」

もしかして、いってしまったのだろうか?

この大量の愛液が、何よりの証拠だ。

俺は陽菜のおでこに、そっと口づけた。

【陽菜】「ん……」

【孝平】「すごい、かわいかった」

【陽菜】「ううぅ~……」

陽菜は照れたように、視線をそらす。

【孝平】「……気持ちよかった?」

【陽菜】「そ、そんなこと、聞かないの」

【陽菜】「……聞かないで、恥ずかしいから」

俺は笑った。

ひとまず、肯定したものと受け取っておこう。

【孝平】「陽菜……いいか?」

【陽菜】「え……」

俺はズボンのベルトを外しながら、ゆっくりと陽菜を押し倒した。

【陽菜】「こ、孝平……くん?」

俺のトランクスから飛び出たものを見て、陽菜は目を丸くした。

陽菜への愛撫で興奮し、猛り狂ったペニス。

自分でも恥ずかしいほど硬くなっている。

【陽菜】「えっ……えええっ?」

【孝平】「そんなに反応されると、俺も恥ずかしいんだけど」

【陽菜】「だって、そんな風になっちゃうなんて……」

【陽菜】「えっ、もしかして、それを……?」

俺はこくりとうなずいた。

【陽菜】「……!」

【陽菜】「そ、そうだよね、そうなるよね」

【陽菜】「わ、わかってるから、大丈夫」

自分に言い聞かせるように、なにやらいろいろとつぶやいている。

きっと、驚くのと同時に、怖いのだと思う。

自分の身体がどうなってしまうのかわからなくて、不安を隠しきれないのだ。

【孝平】「ひょっとしたら、ちょっと痛いかもしれないけど……」

【孝平】「あんまり痛くならないように、がんばるよ」

【陽菜】「……うん」

【陽菜】「私も、がんばるね」

【陽菜】「きっと、孝平くんと一緒なら、大丈夫だから……」

【孝平】「……ありがとう」

俺はペニスに手を添え、濡れた陰部に先端をくっつけた。

亀頭に蜜がまみれ、ぬらりと光る。

【陽菜】「んっ、あっ……」

そのまま身体を前後にゆらして、ペニスで割れ目をこする。

クリトリスがカリ首に引っかかり、ぞわぞわと快感が押し寄せた。

【陽菜】「くっ……あっ、ああっ」

さらに脚を大きく開かせると、肉襞の層が剥き出しになった。

わざとクリトリスを、亀頭でクチュクチュと刺激する。

【陽菜】「ひぁ、こんな格好……あぁ、あふああぁっ」

ぬちゅっ!

【陽菜】「はああぁっ!」

亀頭を膣口にあてがい、ぐっと身を乗り出した。

狭い蜜壺の中に、カリ首部分がずぶぶと入っていく。

【陽菜】「う……うぅっ、ぐ……」

【孝平】「……っ」

みっちりとした陰唇が亀頭を包み、頭の奥がしびれる。

自分の身体を支える腕が、快感によって力を失いそうになった。

【陽菜】「いっ……あぁっ」

かなり痛むのか、陽菜は眉間に深い皺を寄せた。

シーツを握り締め、必死に耐えているようだ。

【陽菜】「あぁ、いっ……ああぁっ」

【孝平】「もう少しだ……」

ずぶぶっ……!

少し勢いをつけてペニスを沈めると、内部がぎゅっと締まった。

その密着感に、思わず呻いてしまう。

【陽菜】「ひぁっ、ああぁ……! あっ、んはぁっ」

【孝平】「痛いか?」

【陽菜】「う……」

【陽菜】「痛いけど……がんばる……」

【陽菜】「孝平くんと、一緒なら……」

陽菜の瞳から、大粒の涙がこぼれた。

その涙を指ですくい、俺はさらなる奥へと腰を押し進める。

陽菜、もう少しの我慢だ。

もう少ししたら、一つになれる。

【孝平】「あぁ……っ」

【陽菜】「あ……くっはあああぁっ」

奥がはじけたような感覚のあと、ペニスがほぼ根元まで陰部に埋まる。

俺は、性器と性器のつながっている部分を見た。

割れ目から、じわじわと破瓜の証がにじんでいる。

【陽菜】「うぅ……んっ……」

【孝平】「陽菜、もう大丈夫だぞ」

【陽菜】「え……?」

【孝平】「陽菜の中に、入った」

【陽菜】「入った……の?」

陽菜はおそるおそるといった様子で、結合部に目をやった。

破瓜が済んだことを確認すると、泣き笑いのような顔で俺を見る。

【陽菜】「ほんとに、入ってるよ……?」

【孝平】「ああ」

一つになった喜びが、胸に迫ってくる。

陽菜の泣きそうな顔を見たら、俺まで涙が出そうになった。

【孝平】「がんばったな」

【陽菜】「……うん」

【陽菜】「孝平くんのおかげだよ」

そう言って、微笑んだ。

陽菜が呼吸をするたびに、中がきゅっきゅと蠢く。

じっとしているだけなのに、こんなに気持ちいいとは。

【陽菜】「くぅっ」

ほんの少しだけ、腰を引いてみる。

根元部分が締めつけから解放され、得も言われぬ快感が下腹部に走った。

【陽菜】「あ……くぁ……っ」

苦悶の表情を浮かべ、陽菜は俺の腕をぐっと掴んだ。

【陽菜】「大丈夫だから……」

【陽菜】「孝平くんの自由に……して……」

切なげな目で訴える。

本当は痛くてたまらないだろうに。

俺はもう少し腰を引いてから、ゆっくりと最深部に向かっていく。

【陽菜】「ふあぁっ、あくぅっ……!」

内部が一斉にざわめき、俺を迎え入れる。

粘膜がぴったりとペニスに張りつき、放さない。

【陽菜】「んふぁ……あぁっ、あふうぅっ」

静かに上下する乳房を掴み、揉みしだく。

乳首をコリコリと刺激してから、吸いついた。

【陽菜】「あっ……! ふああぁっ、くふんっ」

ほのかに甘い味のする乳首を、舌の上でコロコロと転がす。

突起の根元に軽く歯を立てると、陽菜は身体をしならせた。

【陽菜】「あぅ、あふんっ、くすぐったいよ……っ」

乳首に吸いつきつつ、大きく腰をグラインドさせる。

溢れた愛液で、俺と陽菜の股間はべたべたになってしまった。

【陽菜】「ああぁっ、ひああんっ」

だんだんリズムを掴んできた俺は、一定の速度で出し入れを始める。

かぶりつくように乳房に吸いつき、ペニスを奥へとねじ込んでいく。

【陽菜】「くぁ、あふっ、あああっ、あんっ」

さっきまで緊張でこわばっていた陽菜の脚から、少しだけ力が抜けたような気がした。

滑りもずっとよくなり、柔軟に俺を受け入れている。

痛みが薄らいできたのかもしれない。

【陽菜】「……あんっ、ひああぁっ、あっ、あたるっ……」

【孝平】「う……」

陽菜の声があまりにもかわいくて、快感が増幅する。

俺は無我夢中で、陽菜の性器に性器を打ちつけていた。

【陽菜】「ひぁんっ、ひゃあぁっ、あん、ああぁっ」

……まずいぞ、これは。

遥か遠くの方から、大きな波がやって来る。

股間へと血が集まるような感覚。

腹の奥の方が、急激に熱くなった。

【陽菜】「んぁ、あっ、はああっ、んふあああぁっ」

【孝平】「くぅ……うっ……」

【陽菜】「はふぅ、んっ、あぁ……はうぁ、んはあああぁっ、あああぁっ」

【孝平】「う……いくっ……!」

ドクッ! ビュクウゥ! ビュクビュクッ!

【陽菜】「あっ……!」

先端が一番奥に触れた瞬間、俺は陽菜の中で果てた。

ドクドクと、大量の精液を注ぎ込んでいく。

【孝平】「あぁ……はぁっ……」

中から溢れた精液が、ジュブジュブと割れ目から流れ出る。

陽菜は驚いたような顔で俺を上目遣いに見た。

【陽菜】「孝平……くん?」

【孝平】「ごめん、いっちまった……」

自分を制御することなんてできなかった。

気持ちよすぎて、欲望を吐き出さずにはいられなかったのだ。

【陽菜】「ど……どうだったの?」

【孝平】「どう、とは?」

【陽菜】「その、気持ちいいとか、悪いとか……」

【陽菜】「男の人ってどうなるのか、よくわからないから」

【孝平】「……まあ、気持ちよくないとこんなに出ないよな」

【陽菜】「あ……そうなんだ」

安堵したように、陽菜は笑みを浮かべた。

【陽菜】「んっ……」

【陽菜】「孝平くんのが、中で動いてるの、わかるよ」

【陽菜】「まだ……すごく熱いね」

陽菜の中で、俺のペニスはピクピクと息づいている。

すべてを出しきったと思ったのに、まだ十分な硬さを維持しているようだ。

【陽菜】「あっ、ふぁっ」

体勢を整えようとすると、陽菜は甘く喘いだ。

頬は上気し、潤んだ目をこちらに向ける。

【孝平】「ん?」

顔を覗き込み、ずぶぶ、と腰を押し進める。

【陽菜】「な、なんでもな……あぁっ、んっ」

精液と愛液の混じった内部は、甘美なほどに熱を持っている。

膣壁が、ペニスを搾るような動きを始めた。

ぱんぱんになった陰部を、じっくりとこすっていく。

【陽菜】「ひん、あぁ、はあぁっ、くっはぁ……!」

さっきよりも艶を帯びた、高い声を出す陽菜。

悩ましい表情で、脚を大きく開いている。

【陽菜】「うぅ……さっきより、お腹の中が……」

【陽菜】「なんか、ヘンな感じに……」

こすられた陰部は充血し、クリトリスがぷっくりと顔を出す。

きっと、たぶん、陽菜も感じているのだ。

少しずつ腰も動いてきた。

【陽菜】「やん、ひあああぁっ、あふぅ、んふうぅ」

俺の汗が落ち、陽菜の全身を濡らしていく。

すべて出し尽くしたつもりなのに、どうして欲望は衰えることを知らないのか。

ずっとこのままつながっていたい。

【孝平】「陽菜、大好きだよ」

【陽菜】「ぁ……」

【陽菜】「私も……」

俺は、陽菜をぎゅっと抱きしめた。

強くつながり合ったまま、じりじりと腰を前後に動かす。

【陽菜】「んっ……! あっ、ひああああっ」

滑りはいいが、締めつけは強くなる一方だ。

きつく絡む粘膜に、眩暈がしそうだった。

深呼吸をしてから、一気に動きを速めていく。

【陽菜】「んぐっ、んんっ、あっ、ひふああぁっ」

声をあげて、みだらな表情を俺に見せる。

求めれば求めるほどに、どんどん新しい顔を見せてくる。

【陽菜】「ひあぁ、あっ、ひゃふぁっ、あはああぁんっ」

女の子って不思議だ。

いつのまに、こんな大人びた表情を身につけるのか。

不思議で、もっと知りたくて、目が離せない。

【陽菜】「あっ、あぁっ……んふううぅっ」

【陽菜】「孝平くん……どこにも、行かないで……」

心細そうな目で、俺にしがみついてくる。

【陽菜】「ここにいて……ほしい……」

【孝平】「俺は……ずっといるよ」

【孝平】「陽菜のそばに」

同じ強さで、抱きしめ返す。

そばにいてほしいのは、俺の方だ。

【陽菜】「うっ……あぁ……あふんっ」

【陽菜】「あぁ、孝平くん、どうしよう……」

俺の腰に脚を絡ませ、囁いた。

【陽菜】「さっきの、また……来そう……」

【陽菜】「お腹が、ぎゅって、熱くなる……っ」

うわごとのように続けている。

とろんとした瞳。

限界が近づいているようだ。

【孝平】「陽菜、身体の力を抜いて」

【陽菜】「ん……」

【孝平】「俺も一緒に、いくから」

ちゅっと軽くキスをして、深々とペニスを差し込んでいく。

【陽菜】「ひう、あぁ、はあぁっ……んふああぁっ」

ぬらりと光る陰唇が、どこまでも深く棹部分を飲み込む。

内部のヒダが蠢き、絶妙な刺激を俺に与える。

【陽菜】「はああぁっ……あっ、あぁっ、んくあぁっ」

陽菜の爪が、俺の肩に食い込んだ。

そんな痛みすら、興奮を高めていく。

【陽菜】「あっ、はあぁっ、んふあああぁっ、はふぅん……っ」

これ以上ない一体感。

性器と性器が解け合い、結びついている。

【陽菜】「ふあっ、ああぁ、孝平くんっ、あああぁっ、ひふああぁっ」

【陽菜】「あくぅ……あぁ、いく……あぁああぁっ、ふううああぁっ……!」

体液にまみれて腫れたペニスは、もう限界を訴えていた。

俺は下腹部に力を入れ、その時を迎える。

【陽菜】「ひふぅ、うぁっ、あああぁっ……あっ、はあああぁんっ……!」

【陽菜】「いくぅ、ああああぁっ、はぁ、あっ、ひゃうあああああぁっ……!」

【孝平】「うぁ……っ!」

ドクッ! ドピュウウッ! ドピュッ!

膣からペニスを引き抜いた瞬間、白濁液が陽菜の全身に飛んだ。

髪や顔、胸元や服を、白く染め上げていく。

【陽菜】「んあああぁっ、ふあああぁっ……」

射精はまだ終わらない。

快感が強すぎて、意識が遠ざかりそうになる。

【陽菜】「はぁ……はぁ……」

【陽菜】「わ……いっぱいかかってる……」

付着した液体を指で取り、陽菜は興味深そうに見ている。

かなり派手に飛ばしてしまったことに、やや罪悪感。

かわいらしい服が、精液まみれになってしまった。

【孝平】「はぁ……ごめん……」

【孝平】「俺が洗濯するよ」

【陽菜】「ううん、気にしないで」

【孝平】「下着も、ちゃんと洗うからさ」

【陽菜】「だっ……駄目だよっ」

【陽菜】「絶対、駄目っ」

即座に却下された。

さすがに下着はダメか。

俺は苦笑しながら、そばにあったティッシュを取った。

【陽菜】「うぅ」

そっと陽菜の陰部に押しあて、愛液と精液をぬぐう。

かなり大量のティッシュが必要なほど、たっぷりと溢れている。

【陽菜】「……ありがとう」

【陽菜】「でも、ちょっと恥ずかしいね」

【孝平】「そうか?」

【陽菜】「ふふ」

身体に飛び散った精液も、丁寧にふいてやる。

陽菜は放心した様子で、なすがままになっていた。

【孝平】「もう痛くないか?」

【陽菜】「……うん」

【陽菜】「痛いの、通り越しちゃった」

【陽菜】「自分の身体があんな風になるなんて、ちょっとびっくりだよ」

ふぅ、と息を吐く。

まだ絶頂の余韻に浸っているようだ。

【陽菜】「なんか、安心したら眠くなってきちゃったみたい」

【孝平】「寝てもいいぞ」

【孝平】「陽菜が寝てる間に、部屋に帰るからさ」

【陽菜】「……帰るの?」

きょとんとした顔で言う。

【孝平】「そりゃまあ、帰らないといろいろまずいしな」

【孝平】「俺としては、朝まで一緒にいられたら嬉しいけど」

【陽菜】「……」

陽菜は、少し迷っているようだった。

ここで俺が「今日は帰らない」と強く主張すれば、陽菜はきっと断らない。

俺だって、本当はそうしたかった。

……。

そうしたいけど。

陽菜の迷っている顔を見たら、強く言うことができなかった。

【孝平】「見回りが来る前に、帰るよ」

【陽菜】「……うん」

【孝平】「シスター天池に見つかったら、大変なことになるからな」

【陽菜】「あ、孝平くん……」

【孝平】「ん?」

陽菜は起き上がり、俺の頬にキスをした。

瞬きする間の、ほんのわずかな時間の出来事だった。

【孝平】「……」

【陽菜】「え……あっ……」

【陽菜】「その、お礼のつもりだったの」

【孝平】「お礼?」

【陽菜】「うん」

【陽菜】「私の初めてを、もらってくれたお礼」

小さな声で、そんなことを言う。

【陽菜】「嬉しかったの」

【陽菜】「……私には、もったいないくらい」

【孝平】「陽菜……」

俺は陽菜を抱きしめた。

【孝平】「俺にだって、もったいないくらいの幸せだよ」

【陽菜】「……」

陽菜は俺に、強くしがみついた。

まるで、押し流されないようにするみたいに。

何も言わず、俺の胸に顔を埋めていた。

//H-scene ends//

//Possibly a date change here//

ざざーん

ざざーんざざーん

これでもかと砂浜を焼き尽くす太陽。

寄せては返す波が、心を躍らせる。

波の音は心を落ち着けるって言うけど。

まったくもって落ち着かない。

むしろ俺のテンションは上がる一方だ。

今なら、かなでさんの気持ちがわかる。

無意味に海へと駆けだしたい気分だ。

──以前、何気なく陽菜と話した水着の話題。

それが、具体的に「海に行こう」という計画になったのが昨日。

そして、水着の陽菜が目の前に現れるまで、あとほんの……

【陽菜】「孝平くん、お待たせ」

【孝平】「あっ、いや……」

声に振り返る。

水着の上からパーカーを羽織っている。

その姿に、思わず言葉を失った。

いい。

もう死んでもいい。

いや、死んだら陽菜と会えないからやっぱダメ。

【陽菜】「ど、どうしたの?」

恥ずかしそうに、身体を抱えている。

【孝平】「すごい」

【陽菜】「何が?」

【孝平】「陽菜が」

【陽菜】「え?」

【孝平】「思わず、この世に生まれてきた幸せを神に感謝したくなるくらい似合ってる」

【陽菜】「だ、だめだよ」

【陽菜】「そんなこと言われたら、ずっと水着でいたくなっちゃう」

恥ずかしそうにうつむいた。

陽菜との二度目のデート。

海に誘ってよかったとしみじみ思う。

【孝平】「海に来てよかった」

【陽菜】「できれば、もうちょっとあとの方がよかったかな」

【孝平】「どうして?」

【陽菜】「ダイエット、間に合わなかったから……」

そう言えば、前にそんなこと言ってたっけ。

【孝平】「やっぱり必要ないと思うけどな」

【孝平】「こうやって水着姿見ても、そう思うし」

パーカーがあるから、体のラインがすべて見えてるわけじゃないけど。

陽菜のすべてを見た時を思い出せば……

【孝平】「……」

【陽菜】「こ、孝平くん、何を考えてるの?」

じっと俺の目を覗き込んだ。

【孝平】「いや、何も」

慌てて首を振った。

【孝平】「あ、パラソル立てておいたぞ」

ごまかすように言う。

【孝平】「日ざし強いから、とりあえず座って話そう」

【陽菜】「うん」

【孝平】「さて、どうしよっか」

【陽菜】「孝平くんは、どうしたいの?」

【孝平】「陽菜と目一杯遊びたい」

【陽菜】「私も、孝平くんといろいろなことして遊びたい」

そう言って、嬉しそうに微笑む。

【陽菜】「あのね、海に行くって言ったらお姉ちゃんがいろいろ持たせてくれたの」

【孝平】「このバッグの中?」

傍らにある、やたら大きなスポーツバッグを見た。

【陽菜】「うん。私も何が入ってるのか見てないんだけど」

【孝平】「開けてみようか」

【陽菜】「うん」

ジッパーを開けて中を覗き込む。

【孝平】「これは浮き輪か」

それから、ビーチボール、水鉄砲、棍棒。

棍棒?

【孝平】「謎だ」

【陽菜】「あ、たぶんスイカ割り用じゃないかな」

陽菜が、一緒にバッグの中を覗き込む。

【孝平】「スイカ無いけどな」

【陽菜】「そうだね」

陽菜の柔らかい肩が俺の肩に触れた。

【陽菜】「ぁ……」

驚いたように陽菜の肩が少し離れる。

柔らかい感触が消えた。

【孝平】「かなでさん、いろんなもの持ってるんだな」

【陽菜】「……オークションで残ったものだと思う」

そう言いながら、陽菜が少しだけ肩を触れさせる。

触れていたい、という意思表示なんだろうか。

【孝平】「なるほどね」

相づちを打つものの、意識は触れあった場所に集中している。

パーカーの布地に触れてるだけなのに。

どうして俺の気持ちは、昂ぶってしまうんだろう。

【陽菜】「どうしよう……」

俺の耳の近くで陽菜が呟く。

【孝平】「うん?」

気恥ずかしくて、陽菜の顔が見れない。

バッグを覗いたまま、聞き返す。

【陽菜】「私ね、こうしてるだけで充分かも……」

【孝平】「俺もそう思う」

【孝平】「でも、海に来て二人でバッグを覗き続けるわけにはいかないよな」

【陽菜】「そ、そうだよね」

赤く頬を染めながら、陽菜が座り直す。

俺も、バッグから浮き輪を取り出して座った。

【孝平】「とりあえず、こいつを膨らましてみよう」

浮き輪に空気を入れていく。

【孝平】「はぁ……はぁ……」

3分の2ほど膨らんだところで、小休止。

これくらいで疲れるとは……どういうことだ?

【陽菜】「だ、大丈夫?」

心配そうに陽菜が聞く。

【孝平】「俺、肺活量少ないのかな」

【陽菜】「ほら、この浮き輪大きいから」

【陽菜】「きっと普通は道具を使って膨らますんじゃないかな」

【孝平】「そっか」

バッグにはそんな便利アイテムは入っていないわけで。

【陽菜】「孝平くんが休憩してる間、私が頑張ってみるね」

【孝平】「ああ、頼んだ」

陽菜に浮き輪を渡した。

【陽菜】「じゃあ……」

吹き込み口に、唇を近づける。

そこでなぜか止まり、ちらりと俺を見た。

【陽菜】「えっと、いくね」

恥ずかしそうに、俺に確認する。

なんで俺の許可が必要なんだろうか。

……もしかして、俺が口をつけてたからか?

【陽菜】「……いい?」

【孝平】「ど、どうぞ」

なぜか丁寧語になってしまう。

【陽菜】「ん」

【陽菜】「ふーーー」

【陽菜】「はぁ……はぁ……」

【陽菜】「どうして……なの?」

息も絶え絶えに言う。

パーカーに半分隠された胸が上下している。

【孝平】「おかしいな」

浮き輪はむしろ小さくなった。

もしかして……。

【孝平】「ちょっと貸して」

【陽菜】「うん」

浮き輪の蓋を閉めて、手で押してみる。

空気の抜ける音がした。

【孝平】「やっぱり、穴が開いてるな」

道理で膨らまないはずだ。

【陽菜】「せっかく、二人で頑張ったのに……」

【孝平】「準備運動だと思えばいいさ」

【陽菜】「そっか……そうだね」

【孝平】「とりあえず、普通に泳ごうか」

【孝平】「飽きたらボールでもなんでも気分で選ぼう」

【陽菜】「うん」

陽菜は明るくうなずいて、パーカーを脱いだ。

水着だけになった陽菜が立ち上がる。

夏の日ざしで輝くその姿を見て、くらりと眩暈がした。

一段と魅力的になった気がする。

今の陽菜のためならポセイドンとも互角に戦えるだろう。

【陽菜】「えっと……何か変かな?」

【孝平】「うん?」

【陽菜】「じっと見てるから」

【孝平】「いや、変じゃない」

【孝平】「ほんとかわいいなと思って」

自然と、恥ずかしい言葉を口にしてしまった。

きっと暑さで脳の抑制が利かないのだ。

【陽菜】「も、もう」

【孝平】「見てるだけで、どきどきする」

【陽菜】「私の方こそ、落ち着かない気持ちに……」

【孝平】「どういうこと?」

【陽菜】「えっと……そういうこと」

恥ずかしそうに視線を逸らす。

陽菜も、俺を見てどきどきしてくれてるってことか?

【陽菜】「あ、あそこにあるのって砂の城かな」

【陽菜】「孝平くん、行ってみよ」

陽菜が、俺の手を取る。

二人で、海へと歩き出した。

パラソルをたたんでいると、着替えた陽菜が戻ってきた。

【陽菜】「ごめんね、一人で片づけてもらっちゃって」

【孝平】「気にするな。こういうのは男の役目だろ」

【陽菜】「ううん、ありがとう」

──ざざーん

夕陽をきらきらと反射しながら、波が静かに打ち寄せる。

【孝平】「帰る前になんか食べてくか?」

【陽菜】「うん。お腹空いちゃった」

【孝平】「いっぱい遊んだからな」

【陽菜】「そうだね」

【陽菜】「ちょっと、残念」

【陽菜】「時間、あっという間にすぎちゃった」

寂しそうな顔をした。

【孝平】「よかった」

【陽菜】「え?」

【孝平】「それだけ楽しかったってことだろ、それ」

【孝平】「俺だけ短く感じてたらどうしようかと思った」

【陽菜】「……ありがとう」

【孝平】「ん?」

【陽菜】「ううん、なんでもないの」

はにかんだ顔が夕日の色に染まっている。

幸せそうな笑顔。

きっと俺も同じくらい、いやもっともっと幸せそうな顔をしてると思う。

視線が絡み合った。

……どちらからともなく、一歩ずつ近づく。

そして、吸い込まれるようにキスをした。

【陽菜】「んっ」柔らかな感触。

驚いた顔をした陽菜から、顔を離す。

【孝平】「ごめん、急に」

陽菜は小さく首を振った。

潮風に柔らかな髪が揺れる。

【陽菜】「私がお礼しなくちゃいけないのに……」

そう言って、そっと唇を重ねてきた。

【陽菜】「ん……」

──ざざーん

そのまま俺も陽菜も、動かなかった。

波が、何度寄せては返しただろう。

突き刺すような日差しもだいぶ傾いてきた。

楽しかった今日の海辺のデートは、この唇を離すのが終わりの合図。

そんなことをちらっと思った。

……どれくらい、そうしていただろうか。

幸せな余韻だけを残して、そっと俺たちはキスを終えた。

陽菜が一歩離れる時に、鳴き砂がきゅっと鳴る。

【陽菜】「ちゃんと、お礼になってるのかな……?」

恥ずかしそうに呟く。

【孝平】「ああ、もちろん」

どちらともなく手を握り合う。

夕日色の砂浜に足跡を残しながら、二人で歩き出した。

//August 13//

その日、俺と陽菜は監督生室にいた。

会長たちと、かなでさん歓送会の打ち合せをするためだ。

今日は生徒会メンバーが全員揃っている。

【伊織】「ばばーんっ!」

【伊織】「どうだい、俺たちのプランは!」

会長から、やたらと分厚いプリントの束を渡された。

表紙には「極秘」の判子が押してある。

【孝平】「え……これ、なんですか?」

【伊織】「だから、歓送会の計画書だよ」

【伊織】「キミたちが考案したプランを軸にして、ちょっとだけ味つけしてみたんだ」

【征一郎】「……ちょっと?」

東儀先輩が意味深なツッコミを入れる。

絶対、ちょっとじゃないんだ。

まあこのプリントの厚さを見れば、それぐらいのことは予想できた。

【瑛里華】「実はまだ、まとまってない部分も多いのよ」

【瑛里華】「やりたいことがどんどん増えてきちゃって」

【白】「特にお料理関係は、もうちょっと詰める必要がありそうです」

【孝平】「ふむ」

【陽菜】「……参加予定人数2500名」

【孝平】「は?」

俺は陽菜が見ていたプリントを覗き込んだ。

参加予定人数2500名。

確かにそう書いてある。

ていうか、前に言ってた人数より増えてる!

【孝平】「ど、どーゆーことですか?」

【孝平】「なんで500人も増えてるかわかんないし」

【伊織】「2000人も2500人も変わらないじゃないか」

お前は何を言ってるのだ、というような顔で会長は言う。

【伊織】「悠木姉って、人数多い方が喜びそうだろ?」

【孝平】「ものには限度というものがあると思います」

【孝平】「だいたい文化祭もあるのに、同時にこんな規模のイベントなんて無理ですよ」

【伊織】「んー、無理かなあ」

【瑛里華】「なんとかなるんじゃない?」

【征一郎】「あとは予算だな」

【白】「ですね」

まるで動じない面々。

誰かが止めてくれると思ってたのに、なぜかみんなやる気だ。

【陽菜】「あ、あの」

【伊織】「なんだい? 悠木妹」

【陽菜】「こんなに大規模な会になると、お姉ちゃんに勘づかれてしまう気が……」

【瑛里華】「その点、ぬかりはないわ」

【瑛里華】「過去にいくつもバレなかった実蹟があるもの」

副会長は誇らしげに胸を張る。

この人が大丈夫だと言うと、本当に大丈夫な気になってしまう。

【孝平】「でも、こんなのシスター天池がなんて言うか……」

【白】「それは、もう了承済みです」

白ちゃんも誇らしげだ。

【白】「シスターも、かなで先輩のお仕事ぶりは認めていらっしゃいましたから」

【孝平】「じゃあシスター天池はいいとしても、アオノリが黙っちゃいないだろ」

【瑛里華】「青砥先生も、ぜひ参加したいらしいわよ」

【孝平】「なっ!」

俺と陽菜はたじろいだ。

駄目だ、まるで隙がない。

この人たちは本気を出そうとしている。

【陽菜】「……すごいね」

【孝平】「ああ……」

いろんな意味で、すごい。

だからこそ、ものすごーーーく心配になる。

【伊織】「またそんな、心配しなくても大丈夫だって」

【伊織】「今回の歓送会のテーマは『アットホーム』だから」

【孝平】「2500人も集まって、どこがアットホームだって言うんですか」

【征一郎】「予定はあくまでも予定だ」

【征一郎】「まあそんなに悪いようにはしないから、安心してくれ」

【孝平】「はあ」

でないと困る。

俺はため息をついた。

……まあ、こうなってしまったものはしかたない。

こんなに最強のメンツを味方につけたら、あとは勢いに乗ったまま行くしかないだろう。

【瑛里華】「よしっ」

【瑛里華】「これからみんなで、力を合わせて歓送会を成功に導きましょう!」

【伊織】「おー!」

【白】「おーっ」

【陽菜】「おーっ」

陽菜もつられて、拳を掲げる。

その横顔は、どこかワクワクしているように見えた。

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